勉強を始める前に、まずは試験制度概要を知らなければなりません。
自分が登ろうとしている山の高さを知るということですね。
試験日程 受験料 受験資格
受験手続・出願 例年4月中旬~5月下旬
試験日:例年8月第4週日曜日
年に1回しかないんですよね。
だからこそ、1回にかける思いというのは非常に強くなります。
合格発表:例年11月上旬
※2022年追記
2021(令和3)年度の合格発表は約2週間早くなり、10月の下旬となりました。
2022(令和4)年度の合格発表はさらに約2週間早くなり、10月の上旬となりました。
受験料:15,000円
これも令和2年度までは9,000円でしたが、令和3年度から160%アップの15,000円となりました。
受験資格:学歴・資格・職歴による
これはオフィシャルHPでよく確認してください。
直近10年の受験者と合格率推移
受験者数
毎年約40,000~50,000人ほどの受験者がいます。
私が受けた令和2年度は新型感染症の影響もあり、34,845人と直近10年で最小でした。
合格率
最難関国家試験の司法試験よりも合格率が低くなり物議をかもした平成27年度の2.6%のような年もあれば、平成19年度の10%を超える年度もあります。
ここ4年間は6%台で安定しています。
うん、これ絶対6%台になるように操作してるよね。
試験科目
試験科目
8科目+αと、かなり多いです。
1日の試験で8科目(+2科目)もあって、かつ1科目それぞれかなりボリュームがあります。
なのに、試験当日に出題されるのは選択、択一併せて15問ちょっと。
膨大な量を勉強しなければならないのに出題は少しと、対策にかける時間と得点が見合わなくて嫌になるときが必ず訪れます。
選択式
本試験午前の10:30~11:50の80分間。
時間は余裕ですが、基準点割れに怯える試験。詳細は次章の合格基準にて。
択一式
本試験午後の13:20~16:50の210分間=3時間半。
いや、今まで3時間半の試験とか受けたことある?
普通ないだろ、3時間半とか。
しかも、3時間半もあるのに時間足りないことも全然あるという体力勝負な要素も。
択一式で基準点割れに怯える必要はないが、各科目7割をとる必要がある。
合格基準
社会保険労務士試験を難関たらしめる理由はここにあります。
それが、合格基準です。
合格基準
選択式8科目全てで3点以上(関門数8)
選択式総得点で基準点以上 基準点は毎年変動
択一式7科目全てで4点以上(関門数7)
択一式総合点で基準点以上 基準点は毎年変動
合格基準にはなんと17カ所も関門があるのです。
そのすべてをクリアしなければなりません。
関門に1つでも引っかかれば、問答無用で不合格です。
例えば、午前中選択式で7科目満点でも35点、1科目だけ2点の場合、40点満点で37点となりますが、1科目基準割れの2点なので不合格です。
仮に、午後の択一が満点でも不合格なのです。
もう一度言います。
1科目でも引っかかれば、不合格です。
なんという鬼畜仕様、それが社労士試験です。
社労士試験の合格率が低い理由
まさに、これが先ほど述べた理由ですね。
各科目に設置された合格基準点
各科目すべてをクリアしなければなりません。これが非常に難しいのです。
事実、毎年1科目1点足りずに涙を呑む人は数多くいるのです。
そして、この試験制度上、相当に高得点を取ったとしても合格できるわけではなく、
合格した人よりも、総得点が高いにも関わらず不合格になる人が存在するという理不尽な状況もあり得るのです。
試験科目のボリューム
ここまで延々と各科目で基準を満たさなければならないことを書いてきました。
それは逆にいうと、捨て科目を作れないということです。
この科目は苦手なので捨てて、得意なこっちの科目で挽回しよう♪
そんなこと許されないのです。
全科目満遍なく取れないと落ちます。
こんな状況なのに、各科目結構にボリューミーなのです。
ボリューミーな各科目、満遍なく取れよ。
これが鬼畜社労士試験なのです。
補正(救済)制度
とはいえ、ここまで鬼畜仕様な試験でも神様は存在するのです。
それが補正(救済)制度。
直近5年の救済科目
補正基準はざっくりいうと、科目別では受験者の得点分布率、総得点は前年の平均点との比較で決まります。それにより、科目合格基準が3点から2点に引き下げられることがあります。
だいたい毎年、なにがしかの科目で救済が発動しています。
ですが、ここでお伝えしたいのは、鬼畜仕様な試験でも一応救済してくれる神は存在しているということであり、最初から神頼みしてたら受からないよ、ということです。
まずは、基準点割れ全回避を目指して努力しなければなりません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
合格率6%、鬼畜仕様の試験制度から成る難関国家資格試験、社会保険労務士。
目指す山の高さは決して低くはないですが、高い分価値のある資格です。
ぜひ、1発合格を目指してみてはいかがでしょうか。
それでは。