開業準備を進めていく中で絶対に必要なのものはいいとして、「これ、必要か?」と迷うものが出てきます。
おそらく、その最たる例が固定電話。
固定電話が開業に必要か不要か、NTT出身の私がお答えいたしましょう。
固定電話は必要か
今回も結論から言っちゃいましょう。
不要です。
絶対にいりません。
いやー、私が新卒で入社し、仕事の基礎を学んだ会社の商材を全否定するなんて、私も不義理な男ですね。
それでは具体的にご説明していきますね。
大前提が1人事務所です
この固定電話不要論の大前提は1人事務所の場合です。
開業当初から事務員がいますなんて方はほとんどいないと思いますので。
事務所を構えて、常勤の事務員さんを雇えるような体制になれば、固定電話はあったほうがいいのは言うまでもないです。
※それでもあったほうがいいで、この時代なくても大丈夫なんですけどね。
固定電話のメリット
ありません。
「信用が」とか、「仕事をする上で必須では」とかね、もうそれ電話加入権時代の価値観です。時代は令和ですよ。
逆に聞きたい。
今、固定電話持ってるけど、携帯電話持ってない人いたら違和感ありませんか?
携帯電話持ってて、固定電話持ってない人に違和感ありますか?
今の固定電話の立ち位置なんてそんなもんなんですよ。
固定電話のデメリット
もはやその存在自体。
ちょっと言いすぎましたね。笑
ただ固定電話いるよなって考えること自体がもうデメリットなんですよね。
さらに固定電話を引いた後の対応のほうがデメリットが多いのです。
初期費用
結構な工事費や初期費用が掛かります。
なんせ電話線を引きこむ工事するからね。その引込む工事なくても、交換機工事とかわけのわからん工事費は絶対にかかります。携帯ショップの事務手数料のほうがまだ良心的ですわ。 いわずもがな、電話機なければ電話機代もかかります。
もうこの費用は物入りな開業前に不要な費用です。削りましょう。
転送電話対応
外出中に固定電話に着信があっても取りこぼしをしないように、ほとんどの方が転送電話を設定されると思います。
外出中に固定電話の着信に出れるように転送先に自分の携帯を設定する。
固定電話を引いたのに、外出中は転送で自分の携帯電話にかかってくる。
えっ、この状況で固定電話いる?
もう最初から携帯電話にかけてもらえばよくね?
ってか、そんな対応を考えなきゃいけないのがもうデメリットなんですよ。
営業電話
最初の1カ月は営業電話しかかかってこないんじゃないでしょうか。
電話が鳴ったと思い、意気揚々と営業トーンで
「お電話ありがとうございます!疋田社会保険労務士事務所ですっ!キリッ」
なんてウキウキで出たのに、いきなり不動産やコピー機やネット広告の営業してくるんですわ。
それはなぜか。
新規発行された電話番号は、電話番号リスト業者の中で最も高値で取引されているのです。
この時代、新規に固定電話を引く一般家庭はほとんどありません。
今の時代の固定電話番号の新規発番=新規事業者がほとんどなのです。
創業時はコピー機まだないとか、システムまだ決まってないとかで、非常に営業がしやすいのです。だから新規発番の電話番号は、めちゃくちゃ営業電話かかってくるのです。
固定電話で新規番号を発行すると、必要のない営業への対応が必要になるのです。
その他にも山盛り特盛デメリットはあるのですが、いったんこの辺にしましょう。
固定電話ないといった場合の切り替えし
固定電話ないと信用してもらえないとか、もうそんなことはほぼありません。
意外かもしれませんが固定電話ありませんといっても、もうそこまで不審がられないです。
もしくは、
「常に転送で携帯にかかるようになってるんで、それなら最初から携帯にかけてもらったほうがありがたいです。 」
と正直にいえばいいです。私は少なくともこれを言ってなんか変な感じになったことは一度もないです。
ちなみに、社労士会には固定電話はなくても登録できます。
それでも引くという場合の裏技
まぁここまでさんざん固定電話を否定してきた元NTT社員の私は実際にどうしたかというと、
しっかり引きました。ズコーッ
私は義理堅い人間なのです。
不要と思いながらも、私を育ててくれた組織への忠誠心で引いたのです。この記事もそんな義理人情を重んじる私をアピールするためのだけのものなのです。
それ以外にはなんの理由もなく、NTT出身でなければ絶対に引いてないですよ。
とまぁ、これは私のみが該当する理由でしょうが、それでもやっぱり引いておきたいという方には安く引ける裏技をお教えしましょう。
追加番号
先の記事にも書きましたが、私はシェアオフィスなので個別に電話回線を引くことはできなかったんですよ。
そのため、自宅のネット回線に電話番号を追加するというやり方です。このやり方はすべてのインターネット回線でできるというわけではないので、ご自身が契約されているところをよく調べてみてくださいね。ここを詳細に書くだけで5000文字くらい必要になります。笑
- 大前提として自宅、もしくはご実家で「光回線+ひかり電話」を契約している。
- その前提条件なら、月額100円で1番号追加可能。
- さらに月額500円の転送電話オプションをつける。
こうすれば、月額600円+通話料で固定電話番号を利用できます。
無条件転送という設定をすれば、自宅の固定電話を一切鳴らさずに、すぐに携帯電話に着信がある状況に設定できます。
デメリットとしては、固定電話番号からの発信ができません(そもそも固定電話機を置く必要がない)。
ただし、固定電話で掛ければ絶対に通話料かかりますが、携帯電話のカケホーダイプランなら通話料かからないので、携帯でかければ何の問題もないですね。
着信できなくて困ることはあっても、発信できなくて困ることがない。
それが現状の固定電話の立ち位置です。
03Plus
スマホで固定電話が使えるサービスです。
固定電話番号がスマホのアプリでも電話機でも使える!03plus(ゼロサンプラス)
おそらくこれが一番楽かと思います。
申込みもスマホで完結、すぐに固定電話番号発番されて、受信発信スマホでできます。
初期費用5,000円、月額980円+通話料です。
デメリットは音声品質が悪いことがあります。
が、それは携帯電話の電波に比例しますんので、追加番号でも一緒ですね。
いずれにせよ
追加番号+転送電話、03Plusのいずれにせよ
「固定電話番号を携帯電話で使えるようにする」
というソリューションです。
そこまでして固定電話番号必要ですか?
もうそれなら固定電話なしでええやんかいさ。
というのが本記事の本旨です。
まとめ
本当はFAXについても触れたかったのですが、少し熱くなってしまい文字数が多くなってしまったので、FAXについては別記事にします。
いやー、それしても絶対に古巣の恩師達には見られたくない記事を書きました。
私的には損しかない記事ですね。笑
開業には何かと費用が掛かります。
ですので、当初は固定電話の優先順位はかなり低くていいと思います。
開業して業務をやっていく上で、必要になってからでも遅くないと思います。
これから開業される方の参考になれば幸いです。
それでは。